がんの死亡率は地域によって違うのか?
地域とがんの死亡率に相関関係はないのか?
お客様にがん保険の提案をしていると、ふと「地域によって罹患率や死亡率は異なるのでは?」という思いがよぎります。ひょっとしたら、お客様からもそんな素朴な質問が出ることがあるかもしれません。そこで国立がん研究センター「がん情報サービス」より、2020年の都道府県別のがん死亡率を集計してみました。
がんの死亡率が低い県は〇〇県
2020年の75歳未満における、がん死亡率を調べたところ、死亡率の低い県として長野県が第1位となりました。長野県は過去20年間、ずっとがんの死亡率が低いことで知られており、食生活や生活習慣のバランスが良いと言われています。例えば、長野県はきのこの生産量・購入量がともに全国第1位です。きのこは低カロリーで食物繊維が豊富な食品です。国立がん研究センターと長野県農村工業研究所等の共同研究では、がん予防作用が報告されています。また、厚生労働省の「都道府県別のがん検診受診率」を見ると、どの部位によるがん検診も全国平均を上回っており、県民の意識の高さがうかがえます。
一方で、死亡率の高い県は青森県です。ワースト5を見ていただくと、東北地域と九州地域の死亡率が高いように見えます。実は部位別のがん死亡率を見ると、北海道と青森は肺がんでの死亡率が高くなっていました。北海道と青森県は喫煙率が他の県よりも高いことから、肺がんになるリスクが非常に高いということが言えそうです。
部位別では?
北海道や青森県が喫煙率の高さから、肺がんになるリスクが高いように、地域特性によってがんに罹患するリスクは変化します。国立がん研究センターの調査では、以下の傾向が挙げられていました。
- 胃がん・・・東北地方の日本海側で死亡率が高い。
- 肝臓がん・・・西日本で死亡率が高い。
- 肺がん・・・男性は近畿地方で死亡率が高い。
- 乳がん・・・大都市圏および東日本で死亡率が高い。
- 白血病・・・九州・沖縄地方で死亡率が高い。