自己負担額はいくらかかるのか?
医療保険のご提案をする際、お客様からこのような質問を受けたことはありませんか?
「健康保険制度を使えば治療費は3割負担(現役世代)」「治療費は高額療養費制度が使える」ここまで理解いただくことは難しくありません。しかし自己負担額がわからないと、医療保険のコンサルティング提案を行う際にどのくらいの保障額があれば安心なのかをご納得いただくのは難しいと思います。
実際に入院したケースから試算
悪性リンパ腫で107日間入院した人の、治療費以外の自己負担額を試算しました。試算に使用したのは、入院時に病院に備え付けてある「入院時に必要なリスト」と「体験者へのヒアリング」です。
入院時に必要なものは、その方の趣味や嗜好によって変わってきます。例えば、次のようなものを置いている方もいらっしゃいます。
- 家族の写真を入れた写真たて
- 手元から遠い場所にあるものを取ることができるマジックハンド
- 卓上ファン
夜寝るだけの生活ではなく、日中もベッドに横になって過ごすわけです。嗜好の差が出てもおかしくはありません。このような個人の嗜好ではなく、心地のよい入院生活を過ごすために最低限必要なものは下記に掲げるようなものです。
- 食事代/147,660円(460円/1食)・・・食費は入院しなくてもかかりますが、家族と離れて食事を取れば別の出費となります。
- パジャマ5着/15,000円・・・週に1度、家族が着替えを持ってきてくれる前提です。5着あれば2,3着を着まわすことができます。
- 交通費・駐車場代/30,000円(2,000円/1週間)・・・家族が電車で見舞いに来る場合は電車賃が往復2,000円。車で来る場合は、丸一日パーキングに停めることになります。
- 日用品/2,000円・・・ティッシュやコップ、歯ブラシなど、新調して準備するケースがほとんどです。
- タブレットPC・ポケットWiFi/32,000円・・・長期の入院では情報を手に入れるために必須ですし、お仕事する場合も必要です。
- お菓子・カップ麺/16,050円(150円/1日)・・・病院食では飽きてしまうため、味の濃いものが欲しくなります。特に春雨スープなども人気のようです。
- 調味料/2,000円・・・抗がん剤治療で免疫力が低下した際に2週間で1度新しくする方もいらっしゃいます。
- ウィッグ/18,000円・・・こちらも金額はピンキリですが、高いものでは80万円するケースもあります。
これらの金額を合計すると、26万2,710円という試算結果になりました。
差額ベッド代は?
差額ベッド代は選定療養であり、健康保険の対象外です。実際にどのくらいの金額が平均値なのでしょうか?以下は一人部屋の一日あたりの差額ベッド代別に病床数を集計したものです(出所:中央社会保険医療審議会)
一番、病床数が多いゾーンは、5,400円~8,640円となりました。平均値は8,018円です。